いのちの教育 (5年 10/19)
越前市東消防署員さん3名をお招きし、「いのちの教育~命を守る 心肺蘇生・AED~の学習を行いました。
越前市では、3年前より市内全小学5年生がこの学習を行っております。毎年、7万人のもの方が心臓突然死で亡くなっている中、救命には素早い119番通報と心肺蘇生、AEDの使用が欠かせません。将来確実に心肺蘇生が実施できる人間を育成するために、小学校段階から繰り返し学ぶことが大切であり、加えて、命の大切さを感じる機会を設けることで、「自分や他者の命はかけがえのないものであること」「共助の精神を身に付ける」などの目的で行っております。
テーマは、「もしもだれかが突然たおれたら?」。。。
ほとんどの人は、「びっくりして、おどおどしてしまう。」と答えるのではないでしょうか。子どもたちの意見もそうでした。そして、冷静に考えてみて、「近くの大人を呼んでくる。」「電話をかけて、助けを呼ぶ。」・・・と回答していました。
授業では、はじめに、なぜこのような学習をするようになったのか、ビデオを見て学びました。内容は、心に深く迫り、考えさせられるものだったので、子どもたちも真剣に見入ってました。それから、スクーマンという教具を使って、心肺蘇生の練習をしました。心臓マッサージは、①胸が約5㎝しずむまで、体重をかけて押すこと、②アンパンマンの曲のリズムで、(もちろん、声に出して歌わない約束です)1分間に100~120回のテンポで ③救急車がくるまで続けること をポイントに練習しました。手のひらの下のほうで、心臓を圧迫するのですが、その位置を捉えることと、肘をまっすぐ伸ばすことがなかなか難しかったようです。
2時間目、いよいよマネキンを使っての練習です。救急車をお願いしたり、AEDも使って、ロールプレイをしました。はじめは、行動がおぼつかなかった子どもたちも、どんどん慣れてうまくなっていきました。そして、照れくさそうに実施をしていた子どもたちも、徐々に真剣な目つきになってきました。
そして、実技終了後・・・テーマ「もしも誰かが突然たおれたら?」の問いに、「この勉強を思い出して、人の命を救いたい。」「近くにいる人と助け合って、苦しんでいる人の命を守ってあげたい。」などの意見が生まれてきました。
人命救助は、たやすいことではありません。いざとなると、やはりたじろいてしまうでしょう。消防署員さんがおっしゃるには、いざというときの心の壁が大きいのだそうです。日本人の特性から、遠慮してしまったり、躊躇してしまったり・・・。しかし、日本人は一方で、「あなたは、119番に電話してください。」「○○さんは、AEDを持ってきてください。」と頼むと、必ず責任をもってやり遂げてくれるとのことです。
小学生から心肺蘇生の学習?と疑問に思うこともありましたが、小学生という時期から繰り返し学んでおくことで、いざという時の勇気が自然に出せるようにという願いが、この学習の根底にあるということが分かりました。今回学んだ実技内容は、残念ながら、すぐに忘れてしまうかもしれません。でも、これからも繰り返し学んでもらい、いざという時の“心の壁”が少しでも低くなってくれればと願っています。