11月15日の午後、「あいいく先生」の学習をしました。「あいいく先生」ではその名の通り、学校の愛育会の方が先生です。いつかは社会的・職業的に自立しなければならない子供たち。そんな子供たちが自分の仕事について語りかける大人と時間を共有し、多様な生き方や価値観に触れ、経験し、感じることで学ぶ意欲を高め、自ら生きる力を発見していく。それが「あいいく先生」の学習の目的です。

 まずは開講式です。校長先生が「(ア)なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に(イ)なし。故に、(ア)なき者に(イ)なし。」という名言を提示してくださり、(  )の中に当てはまる言葉を考えました。すぐに答が出て、一同驚きです(答はお子さんにお聞きください)。そして先生の紹介の後、子供たちに連れられて、それぞれの会場に向かいました。

【販売業】 

講師は山田先生です。 TVショッピングでは、3倍の笑顔が大切です。
何と、本物のふとんを持ってきてくださいました。 失敗を恐れず、何にでも挑戦しようと感じました。

【介護職】 

講師は増田先生です。 ホームには、カップ麺の自販機もあるそうです。
認知症の人にどう対応するかを話し合いました。 相手が喜んでもらえるように考えることが大切です。

【総合管理職】 

講師は小林先生です。 製造・包装・経理・営業。仕事の種類は豊富です。
どうしたら廊下を走る人が減るかを話し合いました。 話し合い、助け合う。それこそが仲間です。

【製造業】 

講師は石井先生です。 パソコンやスマホのチップを500人で作ります。
リーダーには判断力・決断力が不可欠です。 これからは常に自分の意見を持とうと感じました。

 この学習が単なる職業紹介にならないよう、4人の先生はこれまで福井県に2人しかいらっしゃらないキャリア教育コーディネーターの先生の下、実に20時間以上もの研修を重ねてこられました。話し合いが深夜にまで及ぶこともあったそうです。
 そうして迎えたこの日の「あいいく先生」。以前、学校との打ち合わせのときに「子供たちに見せる物や道具は、必ず本物でなければならないと研修で学びました。」と話していらっしゃいましたが、物や道具以前に、4人の先生自体が本物でした。愛する味真野の子供たちのために本気でぶつかってくださり、ご自分の生き方や考え方を包み隠さず示してくださいました。そんな大人の本気が子供に伝わらないわけがありません。
 長い味真野小学校の歴史の中でも、「あいいく先生」のような取り組みは初めてです。その機会に恵まれたことで、校長先生は開講式で子供たちに、「おめでとうございます」と投げかけられました。本当にその通りになったと思います。4人のあいいく先生、すばらしい時間をありがとうございました。