6年生は国語の学習で「帰り道」という物語を読んでいます。この話に登場してくる人物は「律」と「周也」という男の子です。ある日学校でひょんなことがきっかけで心の距離が離れてしまった2人が、一緒に帰っていく中で距離が縮まるお話です。その物語の最後に

「行こっか。」「うん。」

という会話があります。しかし、この台詞、誰がどっちを言ったのか明記されていません。1組の子どもたちに聞いてみると、意見が分かれました。そこで、2つに分かれてディベートしてみました。もちろん、テーマは・・・   「『行こっか。』『うん。』誰が言ったの!?」

  

まず、はじめにどうしてそう思ったのか主張します。初めに発表した子の発言をきっかけに、近くの友だちと相談する子、「え!?それは、このときに多分、律が・・・」と反論する子、「たしかに・・・」と納得する子、様々な反応でした。子どもたちが注目したのは「うなずく」という言葉でした。「うなずく」とは、うんうんと頭を上下に動かす「動作」です。しかし、しっかり深く読んでいくと、律も周也も2人とも「うなずく」という動作をしており、決め手にはなりません。そうこうお互いに議論していると、ふと隣の教室から茨山先生がのぞきに来られました。「隣からいろんな考えが聞こえてきて楽しそうだったから・・・」とおっしゃっていました。

 結局この時間では答えは出ませんでした。この時間で大切なのは「答えを出す」ことではなく「答えを導くために考える」ことです。お家の方も一度、このお話を読んで一緒に考えて見てはどうでしょうか。

 授業後、ある女の子が「先生、めっちゃ楽しかった!」と言いにきました。たくさん意見を聞くこともでき、自分の考えを言うこともでき、考えが広がったのでしょうね。