五分市鋳物師の学習もいよいよ大詰め。今回は五分市鋳物師の代表的存在であった松村家の菩提寺、弘願寺を訪問し、お話をお聞きしました。

   
   

 五分市鋳物師の作品としては、三重県の文化財に指定されている来迎寺の梵鐘が有名なのだそうです。弘願寺の梵鐘も1707年に五分市で松村家により鋳造されたものでしたが、先の戦争で、武器を作るための金属として回収されてしまいました。そのような厳しい戦時下、「これだけは何とかして守りたい」と、当時の弘願寺の方が本堂の下に埋めて隠しておいたものが、「竹梅文越前芦屋釜」。昭和47年に市の文化財に指定されました。五分市の釜は優秀なものが多かったので、地元にはほとんど残っていないため、「幻の釜」と言われているそうです。

   
   

 「五分市のなべや釜は底が厚いから、おしりの重い人は『五分市なべ』と言われていたよ」と、おもしろい話もお聞きした子供たち。帰り際、「立ちましょう」の合図で、立つのが早いこと早いこと。みんなの笑い声が、本堂いっぱいに広がりました。